2011年7月3日日曜日

フェルメールとレーウェンフック

Jan Vermeer van Delft 009
地理学者

豊田市美術館で開催中のフェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展。タイトルの通り、今回の展示の目玉は地理学者(The Geographer)です。微生物学の父、レーウェンフックがモデルと噂されるこの絵が観たくて、豊田市まで行って参りました。

地理学者はフェルメールの作品の中で単身男性を描いた数少ない作品として知られています。同様に男性モデルの描かれた天文学者とは絵の寸法がほぼ等しいことから対になる作品とされていますが、この両者のモデルがこそがフェルメールと同時代を生きたアントニ・ファン・レーウェンフックと言われています。

microscope
レーウェンフックの顕微鏡(復元)

ところで、この展覧会のグッズ売り場の片隅で、アートパズルなるフェルメールの絵をジグゾーパズルにした300円のガチャガチャを見つけました。幸運なことに、僕の購入したものは天文学者のパズルでした。この絵はルーブル美術館に収蔵されていて今回の展覧会に出展されていなかったので、レーウェンフック好きには嬉しい商品です。

アートパズル

組み立て中

完成(中央部)

VERMEER - El astrónomo (Museo del Louvre, 1688)
天文学者

2011年7月2日土曜日

ホタライトを使った発光実験を動画撮影してみました

ヘイケボタル? 石川県七尾市で撮影

ホタルの光は、発光物質であるホタルルシフェリンホタルルシフェラーゼという酵素に触媒されることで生じる冷光です。反応にATPが関わっていることから、微生物検査にこの発光メカニズムが使われたりします。また、一般の人でも身近にホタルの発光を体験することができる実験キットが市販されています。それが「ホタライト」です。


ホタライトはA粉末とB粉末に分かれています。Aにはルシフェラーゼ、BにはルシフェリンとATPの粉末が入っています。この袋に直接水道水を入れて揉むだけで準備は完了。あとは暗闇で2つの溶液を混ぜるだけです。というわけで、試してみたのが以下の動画。



動画の中では、温度による光量の変化をみるために、発光させた液体を冷水と温水に浸けて発光状態を観察しています。冷水に浸けると暗くなり、その後温水に浸けると明るさは復活します。しかし、約80ºCという高温のお湯に浸けると、次第に暗くなっていき、最終的にはまったく発光しなくなりました。ルシフェラーゼは酵素ですから、ある温度を越えると失活して活性が失われてしまいます。酵素の温度特性がよくわかる動画に仕上がったんじゃないでしょうか。

酵素の活性はpHにも依存していますから、低濃度の塩酸や水酸化ナトリウム水溶液を加えて発光の変化を観察するのも面白いと思います。酵素の特性を学ぶには最適な教材ですね。

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