2012年11月16日金曜日

iBooks Authorで3D分子モデルを動かすための試行錯誤


最近、本格的にiBooks Authorを使っています。iBooks Authorには豊富なウィジェットが用意されていて、動画やKeynoteのスライドを埋め込めたり練習問題を設置できたりします。その中の一つに3Dイメージというものがあって、ユーザーが自由に操作できる3Dオブジェクトを設置できるというものです。この機能を使って分子の3Dモデルを入れ込もうしたのですが、なかなかうまくいきません。が、試行錯誤して、とりあえず使えるレベルのものができたので公開しておきます。

Meshlabで失敗
まず、iBooks Authorで対応している3DフォーマットはCOLLADA(拡張子.dae)というもの。この形式のファイルを作成できないと話になりません。普段はPyMOLを使って.pdbや.molファイルを表示させていますが、PyMOLはCOLLADAフォーマットでの書き出しができません。調べてみたところ、MeshlabというソフトでCOLLADA形式の書き出しが可能ということでした。さっそく表示させたい分子の.pdbファイルをMeshlabで開き、COLLADAで書き出してみました。しかし、書き出した.daeファイルをiBooks Authorに追加しようとすると、
「シーンを読み込めなかったため、3Dファイルは追加されませんでした。」
「ブックは変更されませんでした。」
という悲しいお知らせが。


Appleのサポートページに書かれている「3Dモデルを使うための最良の方法」内容を読んでも、3Dの知識を全く持ち合わせていない僕には意味不明です。そんな中、Apple Support Communitiesで同様の問題をかかえたユーザーがいるのを発見しました。そして、この質問への返信の中でBlenderを使う方法が示されていました。

Blenderを使おう
上記の返信にはBlenderを使って.daeファイルを出力するまでの方法が細かく書かれていますが、いくつかの手順を省いてもOKなことがわかったのでその方法を紹介します。
  1. .pdbや.molファイルをPyMOLで開く
  2. VRML 2(拡張子.wrl)で書き出す
  3. Blenderで.wrlファイルをインポート
  4. Blender画面右上に表示されるLamp, Cube, Cameraを削除
  5. COLLADAで書き出す
  6. iBooks Authorに追加
この手順と、実際にiPad上で3Dモデルが動いている様子をまとめた動画を作りました。影が過剰に付いてしまったり、PyMOLほどテクスチャーの表示は滑らかではありませんが、一応実用レベルなんじゃないかと思います。Blenderの使い方を覚えれば、このへんもなんとかなるんでしょうか。3Dって難しいですね。


Apple Store Nagoya SakaeでiPhone 3GSから5へ機種変

約3年半使い続けてきたiPhone 3GSですが、マナーモードがきかなくなったりSIMカードが認識されなかったりと最近はトラブル続きでした。iPhone4以降のデザインがどうしても受け入れられず、意地を張って使い続けてきた3GS。ついにお別れの時がきました。

iPhone5(16GB)の在庫があれば機種変しようかと栄のアップルストアに行ってみたところ、あっさりと購入できてしまいました。カラーを決めてなかったんですが、なんとなくホワイトを選択。小一時間ほどで手続きが終わり、3GSはその役目を終えました。今まで本当にありがとう。

帰宅してiPhone5を触りまくりましたが、Siriのお利口さとLTEの早さに驚嘆。だけどどうも手になじまない。エッジが痛いしボディーが長過ぎるし。iPhoneはケースに入れずに使うものだと考えてきましたが、こいつは手になじませる為のケースを本気で探さないといけないかも。アップルストアでの店員さんにも、「3GSと違って落とした場合のリスクが高いからケースは付けたほうが良い」って言われたし。さてどうしよう。

2012年8月13日月曜日

日本ライン夏まつり納涼花火大会@犬山市2012で動画を撮ってきました


8月10日に愛知県の犬山市で開催された花火大会に行ってきました。EOS Kiss X4にOlympus OM Zuiko Macro 2/90という装備だったんですが、普通に撮っていてもありきたりなものになってしまったので、思いっきりボカシてちょっと変わった雰囲気に仕上げてみました。 


レンズ内のホコリ?が目立ちますが、予想外に面白い画が撮れました。ただ、犬山城や木曽川といった、この花火大会ならではの良さが全く映ってないのがもったいないところです。次に行く機会があったら、再挑戦してみます。

2012年5月24日木曜日

蒲郡の「生命の海科学館」でマーチソン隕石やアノマロカリスを見学してきました

Thalassomedon haningtoni

愛知県蒲郡市に所在する「生命の海科学館」へ行ってきました。施設の規模は小さいのですが、展示品は一級品ばかり。今回はマーチソン隕石の見学が目的でしたが、ストロマトライトや縞状鉄鉱層、アノマロカリスなど、本でしか見たことが無かった資料を実見してきました。後学のため、いくつかの展示を振り返ってみます。


マーチソン隕石

Murchison meteorite

1969年、オーストラリア南東部の村、マーチソン(Murchison)に落下した石質隕石。隕石中からはアミノ酸が検出された。アミノ酸はラセミ体ではなくL体が優勢であり、生命の起源は地球外からもたらされたとする説の元となった。また、展示品には大さじ1杯ぶん、約15mLもの水が含まれているらしい。有機物や水の保存のため、真空容器中で展示されていた。

グリパニア

Grypania

今から21億年前、最古の真核生物。シアノバクテリアによって酸素濃度が上昇した環境で出現。酸素から遺伝子を守るため、核膜を持つ真核生物が誕生したとのこと。写真で糸状に写っているのがグリパニア。

ハイコウイクチス

Haikouichthys ercaicunensis

最古の魚類、脊椎動物。中国雲南省で出土。5億3千万年前、カンブリア紀初期の化石。無脊椎動物から脊椎動物への変遷を知るうえで貴重な資料。写真中央の赤みがかったものがハイコウイクチス。左端に目があり、原始脊椎がのびているはずだが、写真では確認しずらい。イクチスとは魚を意味する。

 アノマロカリス

Anomalocaris canadensis

 古生代カンブリア紀、海の頂点捕食者。他の生物が数cm程度であった時代、60cmから2mもの巨躯を持っていた。今でこそ有名なアノマロカリスだが、一個の生物として認識されるまでには長い道のりがあった。アノマロカリスの触手、口、頭部は当初、それぞれ別の生き物と考えられていた。触手はエビの体、口はクラゲ、頭部はナマコといった具合。その後、高性能な顕微鏡やグラインダーの登場により、過去の化石が再検討され、また、完形での出土があったことから、これらは一個の生物であることが明らかとなった。アノマロカリスとは、「奇妙なエビ」を意味する言葉であり、触手がエビと思われていた際の学名が引き継がれている。上の写真は、まさにそのアノマロカリス。

イクチオサウルス

Ichthyosaurus communis

古生代ジュラ紀前期、海に生息していた水棲爬虫類。泳ぐスピードは当時の海で最速だったらしい。見た目はイルカと似ている。4本のヒレ(写真)を持つ。陸上から海へ戻った爬虫類であり、足の骨が細かく分かれてヒレを形成したとされる。

オワリ
興味深い展示はまだまだ沢山あったんですが、残りは以下のスライドショーで。資料の充実度はもちろん、多くの展示品は実際に手で触れることができるようになっている点がすばらしい。隕石、ストロマトライト、縞状鉄鉱層、アンモナイト、三葉虫、イクチオサウルスなどなど、僕もたっぷり触ってきました。もう一度訪れたいと思える博物館です。

2012年5月22日火曜日

オールドレンズで青環日食


天気が心配されていた金環日食ですが、名古屋は予想外の晴天でした。曇り空の地域の人は、NDフィルター無しでも金環の撮影ができたみたいですが、僕の場合はフィルター無しだと完全に露出オーバー。でも、幸いなことにレンズのフレア(ゴースト?)が環状になることを発見し、一風変わった金環日食の撮影を楽しむことができました。

飛行機雲と

パラボラアンテナと

UHFアンテナ?と


なんかの花と

写真はすべて、Canon EOS Kiss X4にアダプタをかませてOlympus OM Zuiko 1.4/50での撮影です。コーティングや内面反射の処理などは最新のレンズに劣るかもしれませんが、時にはそれがうまく働くこともあるみたいです。


2012年4月22日日曜日

Rollei A110でTESSARデビュー


110フイルムを使う小型カメラ、RolleiのA110OlympusのE-10に引き続き、こちらも貰い物です。一見安っぽく見えますが、触ってみると金属製の質感、精巧なギミックに関心します。そして何より感動的なのが搭載されているレンズ、TESSAR 2.8/23。まさか110フイルムのカメラでテッサーデビューを果たすとは。


長い事使われていなかったらしく、レンズ前玉にはカビが生えてるのでクリーニングが必要です。そもそも、電池が無いので動作チェックすらできない。まずは電池を入手することから始めねば。

2012年4月12日木曜日

ルミノール反応をHD動画で


ウィルソンの霧箱ホタライトの発光実験など、ほそぼそと科学っぽい動画を趣味で撮り続けています。今回はルミノール反応。科学捜査で血痕鑑定に使われてるやつです。刑事ドラマや名探偵コナンなどでは頻繁に登場しますね。

ホントは自分の血を使って実験したかったんですが、タイミング良く出血することができなかったので今回はヘモグロビン溶液で代用しました。動画中の茶褐色の液体です。ルミノール試薬は、ルミノールと水酸化ナトリウム、過酸化水素水を以下の文献を参考に配合しました。発光時間はホタライトに比べるとかなり短いです。

大場茂・向井知大 
慶應義塾大学日吉紀要 自然科学
48, 31-57, 2010

動画後半は、ヘモグロビン溶液を塗った紙にルミノール試薬をスプレーで噴霧してます。肉眼ではかなりハッキリ青い光が浮かびあがるんですが、動画ではいまいち感動が伝わりません。まあ、本来の目的としては検出できればいいわけで。

2012年4月7日土曜日

グラフィカルなUIが魅力のRSSリーダー「NewsBar」


Mac向けRSSリーダーとしてはiPhoneやiPadで不動の人気を誇るReederが有名ですが、NewsBarはひと味違ったRSSクライアントソフト。画面の隅から慎ましく最新記事を届けてくれます。

App Store
http://itunes.apple.com/jp/app/newsbar/id440472232?mt=12

NewsBar最大の特徴は、上のスクリーンショットのように最新記事を半透明のウインドウに一覧表示してくれるところ。常駐させておきたくなるデザインです。記事をクリックすると内容の一部が横に表示され、そのままウェブブラウザで開くことができます。ReederのようにTwitterRead It Laterなどへの共有機能はありませんが、そういった機能が不要な人にはいいんじゃないでしょうか。

デフォルトでは、EngadgetUSA TodayなどのRSSフィードが登録されていますが、
環境設定画面から好きなフィードを別途登録することができます。また、Google Readerのアカウントと同期することも可能ですが、既読情報が即座に反映されないので僕は使っていません。せっかく美しいUIなので、Google Readerとは別に写真や画像系のフィードを個別に登録するのがオススメです。



こういったソフトは見た目だけで機能は....という印象がありますが、環境設定から様々な設定を変更することができます。テキストサイズの変更やフィードアイコンの表示非表示、更新間隔の変更、表示位置・ディスプレイの変更、常に前面表示させるなどなど、いじくれる項目は予想外に豊富です。

2012年4月7日現在、Mac App Storeで450円の有料アプリですが、開発元のウェブサイトから機能制限版(NewsBar Lite)を無料でダウンロードすることができます。フィード登録数は2件まで、画面上部に表示されるショートカットボタンが使えない、Google Readerとの同期ができないというように機能制限がかかっていますが、気になる方はお試しあれ。

2012年4月1日日曜日

オリンパスE-10のファーストショット

E-10, ISO 80, F2.2, 1/80

先日、引っ越しで不要になったということでOlympus E-10を譲り受けました。E-10は2000年に発売されたデジタル一眼レフカメラ。搭載されているCCDは400万画素(2/3インチ)と現在では見向きもされないスペックですが、当時としては「プロ仕様の最高画質」だったそうです。どんな写りをするのか、散りかけの梅を撮りに平和公園へ出かけてみました。

E-10, ISO 80, F2.8, 1/200

基本的にISOとホワイトバランスはオート、絞り優先での撮影です。撮影後の編集は一切していません。レンズが良いのかセンサーが良いのかわかりませんが、写りは期待以上でした。僕の印象としては、デジタルカメラというよりどこかフイルムのような優しく味わいのある写真が撮れる気がします。

E-10, ISO 80, F4.0, 1/250

上の写真はドライブ中にふと撮ったものですが、ネガフイルムのような色合いに驚いた一枚です。古いデジカメってのは意外と遊べるかもしれません。なにより、データサイズが最初から小さいってのが嬉しい。今はどんな駄作でも数メガバイト、数十メガバイトですから。

2012年3月31日土曜日

科学新聞データベースで戦後の科学技術を振り返る


科学新聞は昭和21年に創刊された(当初は科学文化新聞)科学情報の専門誌です。現在も発行されている新聞ですが、昭和21年から25年までの記事をオンラインで利用することが可能となっています。簡単な会員登録を済ませれば、無料で記事(テキストデータおよびPDFファイル)を閲覧することができます。

昭和21-25(1946-1950)年といえば、第二次大戦直後の時期にあたります。創刊号を読んでみると、戦後日本の行く末と科学技術の役割に関する記述があります。以下抜粋。

科学の発展が人類の進歩を保証するかどうかは確かでない。この進歩は人間の物質的条件よりも精神的倫理的向上に係わるものが多いであろう。にも拘わらず科学の応用は或る面において我々の日常生活を和らげ美しくした。人間の心掛けさえよければ、この恩恵的な仕事は今後も続けられるであろう。生活の規範としてのデモクラシーは、統一に進む科学的思索に対する倦むことのない努力と倫理的な人間の態度であり実践だと信じられる。
中略
科学によってもたらされた技術、それによって変遷しつつある現代文化を我々は敗亡の祖国再建のために向上させなければならない。それこそがデモクラシー日本の内容付けだと信じている。かくしてポツダム宣言受諾の日本が世界人類の平和的生活に貢献できるであろう。 
 科学文化新聞は広く科学文化人の協力によって現代の科学文化について、個々の具体的事象を実証的に取り扱って、科学精神の普及につとめ、技術の向上と生活の合理化を促進し、日本デモクラシーの健全な発展を期するであろう。

昭和21年 04月29日(月)1面

「デモクラシー」や「ポツダム宣言」など、戦後の日本が民主化に動こうとしている情勢が伺えます。こういった状況の中で科学技術が果たしてきた役割、戦後の復興と科学技術の関係を振り返るには恰好の史料ではないでしょうか。

ちなみに、科学新聞データベース上で「放射性炭素」と検索してみると、以下の記事が見つかりました。

"人体に放射性炭素"
"宇宙線の衝突で変化し存在 人類発生も解明されん"
昭和23年 01月30日(金)1面


現在ではトレーサーや年代測定法など広く利用されている放射性炭素ですが、記事が書かれた昭和23(1948)年は放射性炭素による年代測定法が確立される時期にあたります。この功績で後にノーベル科学賞を受賞するWillard Frank Libbyらが、AAASの席上で放射性炭素の生成メカニズムや人類史研究への応用について発表したという記事。当時の興奮を窺い知ることのできる貴重な史料です。是非一度お試しあれ。

MjoGraphでマススペクトルをサクサク作図


全く需要の無いネタだと思いますが、マススペクトルをMacの無料グラフ作成ソフトMjoGraphで作図するというお話。Excelでは自由度が低すぎるし、Gnuplotは敷居が高いというわがままな人には受け入れられるかも。準備するものは、MSのテキストファイル(.txtや.csvなど)とMjoGraph。

手順は非常に簡単です。MjoGraphを起動すると以下のような画面が表示されますが、画面右側の「Drop file(s) here」にマススペクトルのテキストファイルをドラッグ&ドロップ。これだけで自動的にグラフが作られます。



おそらくデフォルトでは各ピークがつながって表示されるので、画面右下「系列のプロパティ」の「Line」メニューから「pulses」を選択すればほぼ完成です。


このまま軸ラベルやグリッド線などの編集も可能ですが、MjoGraphはEPSでの書き出しに対応していますので、あとはillustratorなんかでちょいちょいと編集してあげれば冒頭のような図が出来上がります。


僕の常用グラフ作成ソフトはPlotですが、MSを手軽に描きたいときにはMjoGraphは大活躍です。

2012年3月21日水曜日

HCBの撮影スポットをGoogle Street Viewで訪ねる

Gare Saint Lazare, 1932

究極の現代スナップ写真とも称されるGoogle Street viewですが、過去の偉人達によるスナップ写真の撮影場所もしっかり押さえているところは流石です。PetaPixelの"A Glimpse Behind the Gare St. Lazare in Google Street View"という記事で、20世紀を代表する写真家、Henri Cartier-Bresson(HCB)の撮影スポットが紹介されていました。冒頭の画像は、この記事を参考にしてHCBの代表作である「サン・ラザール駅裏」とGoogle Street View Carによって撮影された写真を合成してみたものです。構図やパースペクティブの違いからピッタリと重ねることは難しいんですが、背景の建物が同一の場所であることを教えてくれます。
 
また、上述の記事のコメント欄では、彫刻家Alberto Giacomettiを捉えた写真についてもその撮影場所が紹介されています。合成してみると、Giacomettiの向かいに現代人の姿が。これは楽しい。

Alberto Giacometti, 1961

さらに、HCBと同じフランス人写真家Robert Doisneauの代表作、「パリ市庁舎前のキス」をGoogleの作品と合成したものが下の写真。原作では市庁舎がほとんど写っていませんが、Google作品ではその全景を知ることができます。

Le Baiser de l'hôtel de ville, 1950

歴史的な写真が撮られた場所、一度は実際に訪れてみたいものですね。

2012年3月15日木曜日

2012年: 平和公園の梅


上の写真は名工大キャンパス内で撮影したものですが、名古屋市の平和公園ではウメの花が見頃を迎えています。今年は例年よりも遅いようですね。

明日は早起きして撮影に行こうかな。

2012年1月26日木曜日

いじくって学ぶ: Wolfram Demonstrations Project


deliciousを巡回中、Wolfram Demonstrations Projectというウェブサイトを知りました。簡単に言えば、様々な分野の情報を視覚的・対話式で体験することができるサービスです。パラメータを変化させながらグラフの変化をみたり、分子模型を立体的に動かしたり、その他にもパズルで遊ぶことだって可能です。単に画像を閲覧するんではなく、自分で操作してその動きや変化から情報を得ることができるわけです。公式動画を見ればおおよそのイメージはつかめると思います。


Wolfram Demonstrations Projectで公開されているアプリケーションは世界中のMathematicaユーザーによって作成されていますが、利用するぶんにはMathematicaは必要ありません。Wolfram CDF Playerという無料のソフトをインストールすることで、全てのアプリケーションを利用することができます。

CDF Player

使用例として、Organic Molecule Explorerというアプリケーションのスクリーンショットを以下に貼っておきます。このアプリケーションでは、有機化学で登場するいくつかの分子の立体モデルをマウスで動かしながらその構造を学ぶことができます。

Caffeineの表示例

画面を見てもらえばわかりますが、マウスでドラッグして動かすだけじゃなくて原子やボンドの色や表示サイズ等も自分で設定することができます。

Benzeneの表示例

この他にも、数学・物理・化学など、様々な分野のアプリケーションが公開されています(ブログ執筆時点で7671件)。また、ブログやウェブサイトへのインタラクティブな埋め込みコードも近々公開される模様ですから、活用の幅が今より広がると思います。今後の発展が非常に楽しみなプロジェクトです。

2012年1月6日金曜日

Aldrich HandbookがiPadにやってきた


Aldrichのハンドブックといえば、単なる試薬のカタログではなく試薬や化合物の物性を知りたい時にも役立つ便利なアイテムです。そのハンドブックがiPad Appとして無料でリリースされていたのでご紹介。

The Aldrich Handbook of Fine Chemicals for iPad
http://itunes.apple.com/jp/app/the-aldrich-handbook-fine/id470257155?mt=8

まず、アプリを起動して最初に現れるのがトップの画像です。Aldrichのハンドブックといえば錬金術師の表紙がお決まりですが、iPad Appでもそれは同じ。紙媒体と同様に絵画の解説も掲載されています。それによると、この絵画はVictor Mahuによって描かれたInterior with an alchemist and his assistants at workという作品で、パトロンによる財政的な支えを受け、助手を沢山抱えた錬金術の研究室が描かれているそうです。

さてさて、肝心のAppの中身についてですが、以下の画像のように試薬情報の検索・閲覧が可能です。CASナンバーや基本的な物性だけでなく、情報をメールで共有するためのボタンやMSDSへのリンクなども用意されているのは何気に便利です。

1-ブロモブタンの検索結果

縦表示も可能


また、以下のように周期表や沸点換算表などの便利なデータも用意されています。
  • Periodic Table of Elements
  • Organic Ring System and Numbering
  • Pressure-Temperature Nomograph
  • Metric Conversion Table
  • Multiples of Element Weights
  • Fundamental Physical Constants
  • Particle Size Conversion Table
  • Table of Atomic Weights
  • Wire Gauge Conversion Chart, and more

Periodic Table of Elements

Pressure-Temperature Nomograph


というわけで一通り触ってみた感想ですが、思ってたより使えます。こういうアプリにありがちな、ネットワーク接続させてオンラインの情報を検索するという方式ではありません。オフライン状態でも試してみましたが、普通に試薬検索できました。ネットの繋がらない状況でも活躍してくれる優れものです。ただ、僕の環境(初代iPad WiFi only)では試薬の検索には多少時間がかかることと、動作が不安定でちょくちょく落ちるのが難点でしょうか。とはいえ、無料で膨大な数の試薬データ(47,000件)を閲覧できるわけですから、ダウンロードしておいて損は無いと思います。ちなみに、このアプリの販売元であるSigma-Aldrichからは他にも無料のアプリがいくつかリリースされています。時間があればまた試してみます。

Sigma-Aldrich, iTunes App Store link
http://itunes.apple.com/jp/artist/sigma-aldrich/id424676352

2012年1月5日木曜日

オリンパスOM-2のオーバーホール完了


オーバーホールを依頼して3週間弱、ようやくOlympus OM-2が戻ってきました。故障箇所があったわけじゃないんですが、購入して5年が経過したのと、露出計がオーバー気味になっている気がしていたので、思い切ってメンテナンスに出してみました。

修理票に記載されていたメンテの内容は以下の通り。
  • モルト交換
  • ファインダー, プリズム清掃
  • シャッター点検
  • メーター点検
シャッターやメーターは"点検"とだけ書かれていたけど、オーバーホールを依頼したカメラ屋さんの話では「ある程度は調整してくれてる」とのことでした。それなら"調整"と書いてもらえれば安心するんだけどな。カメラの修理では当たり前のことなんでしょうか。

心配していたオーバーホールの代金は、1万円+送料+消費税=約12,000円。もう一台OM-2が買えちゃう値段ですが、まあいいでしょう。今はとにかく、早くこいつで写真を撮りに行きたいです。それにしても、新品同様のファインダーが心地よすぎます。

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